永代供養墓建立は散骨場で見た線香の煙がきっかけ

散骨では、もうひとつ話しがあります。
散骨数は予想通り増え続けており、家族と一緒に同行し、家族自身の手で好きな場所に散骨し、花を供え、線香を供え、手を合わせると線香を消し、家族達は森林浴しながら、山林自然散骨の良さを体験できたのです。

海洋散骨は水に溶ける袋に粉骨を入れて海に投げ込み、花を撒く散骨ですが、山林自然散骨は自分の手で粉骨を撒く為、雪が降ったように真っ白くなる散骨です。雨が降れば地に染みて自然に還る実感があります。近くを流れる川の音、夏はひぐらしの鳴き声がカナカナと聞ける事もあり、散骨した家族は皆さん「いい場所だ」と言いながらの散骨。2014年2月冬の代行散骨までは――、

この日は家族が行けず代行散骨、車を停め、靴を履き替え、粉骨を背負って生花と線香を持ち、数分ですが山を登ると専用散骨場に到着、今日はどの辺に散骨しようかと散骨場を見渡すと――、
「ん!? あれっ煙じゃねぇか」
すぐに千明が煙の見える場所まで行って言います。
「お線香が1本立ってます!」
火のついた線香が1本立っており周囲を見渡しますが誰もいません。多分、数人で来て散骨の時と同じように線香は1本だけ供えたのでしょうが、今は冬山、枯葉が積もってる訳で山火事にでもなったら二度と散骨はできませんし、それだけでは済まされません。

散骨を済ませ、帰りの車中は緊急会議です。
「困ったなぁ、まさか冬山に線香を供える常識外れがいるとは思わなかったよ」
「ですよね、常識ある人なら線香は供えませんけど、全て代行散骨にするしか無いでしょ」
「きっと手を合わせたくなるんだろうな、そう考えると、これからも起こり得るだろうな」
「なら、どうしますか?」
「うむ――、」

暫く沈黙で運転しながら解決策を考えます。散骨した場所で手を合わせるのは、遺骨があって手を合わせられる場所があれば全て代行散骨でも問題ない。なら永代供養墓を建てれば何とかなるな。

現状の墓や永代供養墓の問題点、課題点、更に家族の希望要望を書き出しながら話すと、千明がメモしたり、質問したりしながら話しを進めた結果は以下の通りです。

1. 墓の中は『凄い湿気で』『真っ暗で』『虫が這ってる』『骨壺内が水で満杯もある』
2. 墓の実態を知ってる我々は、墓には絶対入りたくないのが本音
3. 年老いたら誰でも墓参りに行けなくなる
4. 転勤族と他県等に行きたい子供にとって墓は足かせでしかない
5. 寺の墓は自動的に檀家となるから寺が何かする度に寄付を始め色々と金が掛る
6. 少子化で墓守がいない家族は多く、いつかは墓閉じが必要となり高額な費用が掛る

なら、どんな墓なら良いかを検討した結果――、

・地上の墓で人が出入りできる造り、出来れば少し明かりが入る造りの永代供養墓がいい
・骨壺でなく専用容器に少量入れて納骨すれば、転勤や転居でも持っていける
・小さな容器で納骨すれば、年老いたら墓から出して自宅で手元供養できる
・あんしんサポート所有なら、多少の管理費はあっても多額の寄付は絶対ない
・永代供養の三十三回忌まで納骨可能で、その後散骨すれば最終的に何も残らない
・自分達の代だけ使用できるし墓閉じする必要もない
・うちとしたら、小さな容器で納骨なら、骨壺の数倍の遺骨が預かれるのはメリット

問題は何処に建てるかですが、最大課題は、あんしんサポートの存在が無くなったとしても墓守して貰える場所です。公営墓地か、民間墓所か、寺の墓所かと考えましたが、公営墓地で家族以外の不特定多数を納骨する墓の許可が出るとは思えません。民間墓地で管理して貰うには、毎年結構な額の管理費が掛る。なら、お手伝いしてくれる寺の中で依頼度が高く、後継ぎのいる寺が最善と考え、寺に連絡を入れ向かいます。

寺の墓所は初めて見ましたが、さほど大きな墓所ではなく、檀家数が多い事は無いだろうと予測、墓所の権利販売してる場所は避け、奥の空いてる2m×1.5mほどの場所で言います。

「住職、ここ俺に貸さない!?」
「あー、全然いいよ・・・ってまさか「タダ」じゃないよね?」
「ん? タダだよ」
「代表さぁ、寺の墓でタダは無いよ」
「此処に1,000名入れる地上型の永代供養墓を建てるから、仮に半数に満たない400名が入ったとして、その人達が法要するとしたら何処の寺を使う? この寺以外あり得ないでしょ? なら寺が1軒増えたようなもんじゃない?」
「なるほどぉ――、言われてもみれば確かにね」
「但し檀家には成らない。それでも、この場所を提供するメリットは充分あると思うよ」
「分かった、かみさんに聞いてみるよ」

後日、住職から「かみさんが良いってさ」と返事を貰い墓所は無料で確保に成功、次は墓ですが、石屋関係の仕事をしてる幼馴染みで同級生に全て依頼しました。豪華にする気はありませんし、予算もありませんから、コンクリートで箱を造って上から石板を貼る。中の棚は既製品でも造り付けでも構わないけど、予算内なら何でも良いと伝えましたが、凝り性のようで全て石で建ててくれました。予算変更は出来ませんから間違いなく赤字だったでしょう。

ただ性格的に適当な奴で、完成予定日より一か月以上遅れ、2014年7月5日(土・友引)納骨希望家族が集まり開眼法要と納骨をしました。永代供養墓には僕のつたない言葉が彫ってあります。

『あんしん一樹の陰』
見知らぬ者同士が 偶然一本の木陰に寄り添う
是、偶然で無く 前世からの縁なり
心穏やかに 心安らかなる 眠りをと祈る

永代供養墓、あんしん一樹の陰開眼法要

永代供養墓あんしん一樹の陰、彼岸の写真

葬儀支援を始めるきっかけとなった父親逝去の一報から始まり、事ある毎に出会った人達、更に今回の永代供養墓建立にしても、偶然の言葉だけで片づけなれない流れを感じます。きっと人は今の流れに逆らわず乗れば、その都度必要な出会いがあり、何をすべきかの教えがあって、その流れで動く限り失敗はしないのではないかと思うほどです。悪い流れだとしても、無駄にもがく事なく流されれば、何処に漂着すべきか見え、結果的には早く抜け出せるような気がするのです。

だとしたら人の出会いは偶然に見えても、必然や縁なのでは――、とも思えます。あんん一樹の陰に納骨される人達は、何処かの前世で縁の有った人達かもしれません。今生の人生は終わりましたが、懐かしき人達との出会いがあり、心穏やかに眠って欲しい――、そんな思いで書いた詩です。

あんしんサポートに於いては、設立前のきっかけから、設立後の現在に至るまで、全ての面で恵まれてきた感が強くあり、前職の美容業社長時代とは違い、何事をするにしても誰かに助けられたり、施行依頼が多い時でも、ちゃんと流れるような依頼時間だったり、今回のように非常識な利用者をきっかけとして自社所有の永代供養墓を建て『火葬+散骨+永代供養墓納骨(ぱっく60)』のような、国内初の葬式パックの誕生に繋がり、利用者した家族にも好評です。

今までの人生も仕事馬鹿のようでしたが、精神面では今が一番楽です。偶然と言われたら、その通りなのですが、人には良い偶然を引き寄せる何かがあるのかもしれません。

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