点滴、胃婁について事前に考えておこう

今回は非常にデリケートな話題です。確か「療養病棟入院基本料1」の届出がしてある病院なら、3か月でなく数年間の入院も可能だと思う。認識が間違ってたらごめんなさい。この部分はどうでも良いのですが、意識もなく、意思の疎通もできず、点滴や胃婁で何年も生きておられる方を何人も見てきましたが、個人的には『俺は嫌だな――、』が本音、意識がなく、食べられなくなったら人生の終幕だと思ってる。

まず最初に胃婁したらミキサー食は中止できないと思い込んでる家族がほぼ100%。毎月6万円の出費もあり大変でしょうが、食事量を減らしたり、水だけにする事もできるはずです。対象者の状態により担当医に相談されると良いでしょう。

次は逝去前ほぼ全員が行う点滴についてです。逝去されると故人の身体を清拭したり、身支度を整えたり、病院や施設により合掌を組むところもありすが、組んだ手の甲や指先が水分でパンパンになってる事が多く、最後まで点滴してたのが分ります。この状態を見る度、身体が水分を受け付けないのに、なぜ最後まで点滴するのだろうと思う。

僕の経験則では、緩和ケア病棟、自宅で専門医の看取りは、手がパンパンは殆ど無いのに、それ以外での病院、施設は手足がパンパンが多い気がするのです。パンパン、ブヨブヨに膨らんだ手足を見ると、楽に逝った印象を受けません。医者では無いので正確には分りませんが、人も例外なく生ある全ての動植物と同じ終幕を迎える。なら『静かに枯れる』のが自然ではないでしょうか。

病院、施設で遺体に合掌を組む所は減りましたが当然だと思います。合掌は仏教の代表的な仕草ですから他信仰の人達、無信仰の人達には不適切だからです。また手が水で膨れてる時は合掌を外して1日おけば大抵はひくはずです。必要なら後で組めば良いのです。保冷剤を当てるにも邪魔なだけですから、安置の際は一旦外しましょう。

故人の身体や指先を動かすのに支障となるのは死後硬直ですが、手や腕が硬直するまで死後4時間程掛かりますから、その前に外して腹部のドライアイスで手を凍結させないよう対処するか、身体の横に置けば問題ないでしょう。死後硬直のピークは24時間後ですが、ポンプのように小さく何度も曲げ伸ばしすれば動いてくれます。硬直が凄い時は温めれば動きやすくなりますが、ご遺体の状態によりますので、専門家に判断を仰ぎましょう。

中には年金の多い対象者ゆえ、入院費を支払っても余裕があるので、できるだけ長く生きて欲しい――、と考える家族もいて、これをとやかく言う気はありませんが、自分で飲食物が呑み込めなくなり、意思の疎通が出来なくなったら、水分だけの点滴に切り替え、最後の一週間くらいは点滴も外し、静かに旅立たせてあげるのもありだと思うのです。

故人の配偶者や子供達の中には、どんな状態でも良いから、1日でも長く生きて欲しいと言う方もいますが、自分が対象者の立場でも同じように思うのでしょうか? 生きてる人の自己満足でしかない、ということは無いでしょうか――、意識もなく、意思の疎通も出来ず、苦しそうに息をして、絡んだ痰を吸い取って貰い、これからも治癒することはないのに、薬と機械で心臓を動かしているのを生きてると言うのでしょうか――、対象者はそれを望むのでしょうか――、

どんなに生き続けて欲しいと願っても、どれほど費用を掛けても、人は必ず終幕を迎えます。だから最後の時でなく、もっと元気な時、動けて、話せて、食べられる時にできる事をしておくべきでは無いでしょうか――、これから大切な人を送り出すのであれば、死後でなく、存命中の出来れば元気な時に出来ることをかる事だけが、後悔を減らす唯一の方法であり、終幕直前に行う事の多くは、対象者を苦しませる事ばかりという現実も知って欲しいと思います。

また我々の経験則では、自宅でも、病院でも、施設でも、自分にできることを精一杯して来られた人の多くは逝去後に騒ぎません。存命中に葬儀(お別れ)が済んでいるのでしょう。最後を苦しませず、温かく送ることだけ考えておられる方が多いです。葬式の内容は火葬だけのお葬式でも全く構いませんし問題ありません。僕も最後まで温かく送ることだけを考えたお手伝いをしています。

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