反面教師の教えが最高の企画書

サラリーマン役員時代、経営指導が主でしたが本職は企画と仕入れですから、今回次回は参考になる方も多いでしょう。企画立案のできる人間は素直ではありません。普通の人と違う目線で見るから、企画として成立するし、普通の素直なの人達が驚く企画が生まれるわけで、例えるなら「薬」ようなもの、薬は毒だから、薬にもなる――、これと一緒です。

前々回『葬儀支援内容は葬儀屋と寺が反面教師』と書きましたが、今回は葬儀業界でなく、過去に実践して好評を得た企画をいくつか紹介しようと思います。考えて欲しいのは企画内容より『目線』です。現状を反面教師としなければ何事も進歩、発展はありません。

『鮭の1切れパック』
スーパー業界にいた頃、お婆さんがショーケースの前で悩んでいる姿を見て聞きました。
「お婆さんどうしたの? 何か困ったことでも――、」
「うちはお爺さんと息子の3人だから、2切れだと足らないし、2つ買うと余るのよぉ」
この言葉は目から鱗でした。当時は2切れパックしか並べて無かったので、ちょっと待って貰い、
「はい、これなら家族で1切れづつ食べられるね」
と3切れのパックを渡すと、お礼を言ってレジに向かわれました。

そうなんです。奇数の家族は困るわけです。皆さんならどんな対応をしますか? 当時のパートさん達に聞くと、2切れと3切れを作れば良いと言いましたが、僕の指示は『2切れは今まで通り、更に1切れパックを最前列に積んで半額』でした。奇数家族の中には一人暮らしの人もいるし、最前列だけ1切れなら解りやすいし、掻き回される確率も減るからです。

『反面教師』
・売る側の都合で2切れを当然と考えてたが、奇数家族には不便だと気づかされた

『パーマを掛けると、5号生クリーム・クリスマスケーキ無料進呈』
美容室への営業をしてた20代後半の事。今は分りませんが当時はキャンペーンばかりしてる業界で、大抵は『定価2.000円相当のブラシプレゼント』とか『定価3,000円トリートメント剤プレゼント』みたいな企画ばかり、きっと他者営業に勧められた企画でしょうけど、皆さんはブラシやトリートメントが貰えるからと6.000円、8,000円のパーマを掛けますか? 普通の人なら要らないですから、まぁ成功することはありません。

僕の企画は次の内容です。
・11月1日~12月24日の期間中にパーマを掛ければ、クリスマスケーキプレゼント
・5号サイズ、生クリーム
・お渡しは12月23日・24日、午前10時~午後7時
・更に2日間限定、ウエラシャンプーリンス、20%割引実施

この企画を初めにした美容室は月商60万円ほどの小さな美容室でしたが、2年後のケーキ数は300個まで延び、売上は300万円(この時期だけ、通常は150万円~200万円)にまで成長しました。売り上げが伸びた理由は何処にあるでしょうか?

》今まで売上が伸びないのは、技術、接客などに問題があるからです
》まずは1度来てくれたお客様が、もう一度行きたいと思える美容室にする事が大前提です
》半年掛けて接客、技術など全てを徹底的に叩き込みました
》来てくれた人が、もう一度行きたいと思える美容室になれば繁盛店の入り口に立てるのです
》あとは加速させる企画を組めば良いだけ、それがクリスマスケーキです。 なぜか!?
》小さな子供がいればケーキは必ず買います。ならパーマ掛けて貰えるならラッキーでしょ!?
》問題は原価、ケーキが作れて、さほど売れない所に最低300個以上注文すると作らせました
》1店舗では無理でしたから競合しない違う市の3軒でスタートしました
》原価はケーキ用の箱も含め800円。とりあえず10万円ほどの利益になるので引受けてくれた

キャンペーンで800円原価は大きいですが、僕には教訓があります。
『ケチッて効果の無い企画は我が身を滅ぼす、利益は減っても効果があれば将来の種蒔きとなる』

『反面教師』
・美容室だから美容関係の物・・この発想が間違い、大多数が欲しがる物なら成功する

『✖(バッテン)で価格値引き、絶対していけない企画』
美容室って8,000円→5,000円みたいな広告多いでしょ。お馬鹿丸出し最低企画です。こんなの誰でも考えれば分るはずです。原価で考えれば8,000円を5,000円はさほど問題はありませんけど、次回来てくれた時に8,000円払う気になりますか? 自分の首を絞める馬鹿げた企画なんです。 ならどうしたか、

》8,000円の価値があるならしっかり会計で8,000円頂きます
》事前にピン札3,000円が入り「お車代」と書かれた封筒を次の言葉を添えて渡します
》「本日はわざわざのご来店ありがとうございます。お車代ですお受け取りください」
》車に戻ったお客は封筒を開けるとピン札3000円があり嬉しい気分になります
》この人が誰かと会うと「美容室でパーマ掛けたら3,000円貰ったよ」ちゃんと宣伝してくれます

次回8,000円でも違和感はない。但し再来店したくなる美容室で無ければ自滅を促進させるだけ。

『反面教師』
・8,000円が5,000円に出来るなら、いつでもやれよ、これが客側の本音です
・安易な料金値引きは自ら信用を無くすようなもの

『ヘアカラーを前面に出した企画』
後掃除が大変ですから、自宅でカラーしてる人は少ないでしょうが、美容室経営を始めた今から30年前は、フェミニン、パオンなど自宅でのカラーが主で、美容室でヘアカラーするのは1店で数名から、せいぜい10名程度でしたから、美容室のメニューでカラーは付属程度、業界は女子高生を中心にしてましたが、僕は疑問に思い、その流れには乗りませんでした。

疑問は女子高生のお客の流れです。女子高生は影響力のある子が来ると、金魚の糞のように繋がって来てくれますが、流行を追う子達は一定期間過ぎると、違う店に移るし、違う高校の子達が増えると来なくなる傾向にあり、安定感に欠ける客層だからです。

しかし団塊世代が40代に突入れば、ヘアカラー(白髪染のおしゃれ染め)の人口は一気に増えるはずだし、この年代になると気に入れば固定化しますから、長い付き合いができると団塊世代を第一ターゲットとする事で、団塊ジュニアの10代後半も見込めると考えたのです。

人の髪は1か月で約1cm伸びますから、分け目なら根本2cmの白髪は女性なら我慢できません。ところが当時のカラー料金は5,000円ほど、これを毎月では家計に響きます。一方市販のカラー剤は800円ほどでしたから、毎月なら3,000円以内だろうと、こんな数式を考えました。
『カラー800円+シャンプーブロー(2,000円)=ヘアカラー2,800円(シャンプーブロー付)』
これが当たり、ヘアカラーでは地域一番店となり、毎月カラーで来店してる人はカットもパーマも掛けますから、そう客数の来店サイクルが年間で1回増える結果となりました。

その後、明るく染まる白髪染めの塗布技術を2年掛けて完成させた事で、僕の手から離れて10年経った今でもきっとカラーの強い店だろうと思います。美容室ではもうひとつあります。多分今も続けているだろうと思いますが、綺麗になってお正月を迎えたい中年以降の人達は多いです。その結果12月は忙しくなりますが、年明けから2月までが暇になります。

そこで11月に入ると『1万円お年玉金券』を販売します(販売価格10,000円、利用価格12,500円)ですから2,500円お得です。20年も前ですが、今のプレミアム金券、GO to 〇〇と同じ発想です。これが使えるのは1月4日の正月明け営業から2月末までの限定、更に年始特別企画として通常料金なら15,000円~18,000円の期間限定コースメニューを作成し、どのコースでも金券1冊で利用できます。大抵の人は1回で金券を使い切るし、暇になる1月2月は年内に販売した金券売上を留保してお客様が使用した時点で売上計上しますから、1月2月も安定するわけです。

『反面教師』
・メディアの作った流れに乗ったのでは間に合わない
・10年後を見て、現状の課題を見つけ解決すれば勝手に人は集まる
・一般で販売されてるカラー剤価格、否定せず利用すればいい
・自宅でカラーすれば分るが、塗布の難しさと、後の掃除が大変と分る
・暇な時期が分かっているなら、事前対策も立てられる

ついでに言うと、この美容室は曜日に関係なく2時間待ちが普通でしたから、自然に予約する人が増えて、いつの間にか予約が当り前になりました。人は自分が気に入った店なら、予約もするし、僕は嫌ですが並んで食べるのも平気というより、並んでるから食べたいと思う生き物のようです。

この経験は、あんしんサポートでも活かされています。書けば、まだまだありますが、今回理解して頂きたいのは企画内容ではなく、そこまでの過程とアイデアのヒントです。全ての企画に共通するのは、業者側の思惑でなく、利用者の「あったらいいな」が基本にあるから成功するんです。

と偉そうに言ってますが過去に年商3億の商売しか経験は無いので、たいした経営能力ではありませんが、潰れることなく、経営者家業30年を超えましたから僕の能力なら上出来です。

さて、今回は過去の企画の一端をお披露目しましたが、営業時代、経営指導時代に自分がしていた事や、物販店の店主に良く聞かれた事と僕の回答をいくつか書きたいと思います。書く理由は実用書や専門書、経営書など昔は良く読みましたが殆ど2種に分かれます。

1. いわゆる評論家の書いた本、机上の空論、お題目ばかり、実績は一切伴わない頭でっかち書
2. 松下幸之助さんを始めとした偉人の本、僕のレベルでは到底真似のできない未知の世界の書

しかし凡人の僕でも伝説の営業マンと呼ばれる方法はあるんです。実践したいくつかを書きますから、ご自分のヒントを見つけて頂ければと思います。現状で言えば、あんしんサポートが実践している各パックの内容、基本理念、あんしん館、永代供養墓など、ひとつひとつの詳細を見れば、そのまま活かしているのが分るかもしれません。但し2人で年間施行200件以上は経験がありませんから、それ以上の方々は参考には成らないでしょう。

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