第十六話 式場祭壇を無料で豪華に飾る

2020年11月現在、あんしん館式場祭壇(仏式)には30万円ほどの供物が飾られ、全ての利用者が無料で使えます。直葬6,9万円も搬送直後は祭壇前で納棺、末期の水をとり、線香を供えられ、実質日本一低価格だろうと自負しています。祭壇は全て飾り、何も購入せずとも寂しくない葬式ができる――、この発想は葬儀屋勤務経験ゼロだから生まれたものです。

初めての無料飾りは、まだ自分達で葬式施行できず、決まった葬儀屋さんに依頼してた頃、自宅布団に安置された故人の横に置かれた三段の後飾り祭壇には、一膳飯と水と枕団子が乗った白木膳だけで他は何も飾ってありません。それを見た家族が
「寂しいけど仕方ないよね・・・」
「うん・・・」
と小声で話しているのを小耳に挟み別室で千明に言います。
「祭壇に飾れるものって、うちにいくつかあるよな?」
「あ、はい、売り物なら灯篭が四種類と、菓子盛、あと斎場で使う四華花とかいくつかあります」
「キラキラ回転灯と小さい回転灯篭と、菓子盛、四華花、他にもあったら持ってきて」
こうして寂しい祭壇は賑やかな祭壇へと変わりました。

「あのー、この飾り類は頼んで無いんですけど――、」
家族としたら当然の発言ですが、
「これ無料で飾ってるだけだから心配要りませんよ。終わったら持って帰っちゃうけど(笑)」
「あ、そうなんですか、買わなくて良いんですか?」
「うん、いいですよ。うちの倉庫でも、ここに置いても一緒だし、飾れば賑やかだからね」

笑ってアッサリ受け答えしましたが、家族は申し訳なさそうにも、嬉しいそうにも見えました。あるお金を使わないのは気楽ですが、無くて出来ないのは辛いはずです。僕が引き受けた葬式で家族に寂しい思いをさせたくありません。ぶっちゃけ、最初から後飾り祭壇を置かなければ良かったんですが、一度置いてから片づけるのもね――、

僕の本音は豪華である必要はなく、飾りはどうでも良いのですが、最後の最後まで温かく送って欲しい思いが、こんな物で失せるのは納得できないからの行動でした。ただ賑やかで豪華な祭壇を見た家族の顔は明るくなり、葬式後に来てくれる喪主の友人達にも恥ずかしくないと言いました。そうか、俺は気にもならないけど、こんな事を気にする人もいるんだな――、賑やかに飾ってあるだけで明るくなれるんだな。

この経験は、その後の全ての葬式に活かされました。斎場での一般葬では祭壇前に「大」「中」「小」の灯篭を各一対、祭壇前両側に並べ、祭壇の白木膳奥に四華花、祭壇両サイドには菓子盛一対など、毎回無料で飾り続けましたから、うちの祭壇は豪華だと言われました。

これを活かしたのが、あんしん館式場祭壇、基本コンセプトは『何も飾れない祭壇』です。祭壇の場所が空いてれば飾りたくなるのが心理――、なら最初から飾る場所が無く、かといって雑貨屋のようでも品は無い、適度な量で豪華に飾ってあれば、きっと誰も飾りを買うとは言わないだろうとの予測は当たり、家族も親戚も余分な出費を抑えられる式場になりました。たまには、
「うちも貰ってるから何か飾りを供えたいんですけど――、」
「なら別に1万円包み「供物代」と書いて渡してあげてください」
灯篭なら最低1万円以上ですから、自分の出費も減るし、家族は現金のほうが嬉しいですからね。

祭壇飾りだけでなく、基本的な考え方は『最後まで温かく送る葬式』あんしんサポートの各パック内容は全てこれを実現させる為の手段です。この考え方に徹すれば必ず温かい葬式と言われます。葬式の最後となる拾骨も、斎場の担当者で無く、僕自身が家族とワイワイ言いながら行う。引き受けた以上は最後まで温かく送れる葬式にする。これが葬式施行を引受けた者の使命だろうと思う。

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